視野を広げてくれた送水口

蓋探しばかりしていると、当然目線は常に地面へ。
ぱっと見、暗い人か怪しい人に見えてしまい、親切な人は「何か悲しい事があったのですか?」と声を掛けてくれ、もっと親切な人は警察に電話してしまいそうな雰囲気になっていることでしょう。

そんな私の目線が上にも行くようになったきっかけがこのスタンド型送水口(※1)。

初めは隣の撒水栓(※2)の蓋に目が行ったのですが、送水口の「送」の字が二点しんにょうになっていて、撒水栓の文字とマッチしていると気になったのでした。
そしてよく見ると、送水口を境に何だか床面の汚れ具合が違うような??

送水口の右側はマンションの入口、左側は割烹の入口近くに設置してあり、左側の床面が綺麗なのは、毎朝割烹の方がモップで送水口付近まで掃除していた結果でした(後日行って作業を確認)。

そのコントラストが綺麗だなと目線を上にしてみると、もっと素敵な物が!

緑青の浮き具合、そして雨などが流れてできた中央に流れる縞模様がとても美しいです。
何故今まで送水口に目が行かなかったのかが不思議なくらい衝撃を受けた出会いでした。
以来、蓋と合わせて送水口も観察対象になり、路上散歩も少し怪しさが軽減された(筈の)今日この頃。
建物自体にも目が行くようになり、視野が広がりました。ありがとう送水口(^^)

目線が上になってくると、今まで通っていた場所も違って見えます。
同じタイプの二点しんにょうの送水口が地元にもありました。
こちらは右側が壁に面している為、消防士さんがホースを取り付けやすいように頭が左に向いています。

真上から見るとこんな感じ。
隣の散水栓の蓋がステンレス製なのがとても残念です。

気にして見ていくと、二点しんにょうの物は他にも結構ありました。
設置されている場所によって様々な雰囲気になるので、写真の数もどんどん増えて楽しいです(^^)

このタイプの送水口はほんの一例。壁に埋め込まれていたり他にも様々なタイプがあります。
蓋と同様、古くて趣のある物はある日突然撤去され新しい物に置き換えられてしまうので、出会ったら必ず記録するようにしています。


(※1)送水口:連結送水管(送水口、送水配管、放水口で構成される)の一部。火災発生時に、消防隊がポンプ車から建物内の消火栓に圧力水を送り込む為に建物外部に設けられる接続口。
(※2)撒水栓:庭の散水や外部の掃除などに使用される水栓。建物外部出入口周辺などに設けられ、埋設された蓋つきの容器(散水栓ボックス)の中に設置することが多い。