デザイン業界豆知識:わんこグッズは何故少ないか
犬好きの方々は、
「何故この商品のにゃんこグッズはあるのに、わんこのは無いの?」
「にゃんこグッズと同じ位もっと出してほしい!」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
でも、わんこグッズを見つけた時、こう思ったりしませんか?
「あ、わんこグッズ発見!でも、好きな犬種の物が無い」
「うちの子と同じ犬種だけど、被毛の色が違う」
かくいう私もその一人です。持っているのはダックスグッズばかりです。先日買ったイヤホンジャックアクセサリーも、愛犬と同じ色味の物があったら間違いなくそちらを購入していました。
犬好き=愛犬(or好きな犬)と同じ犬種の(できれば色味も同じ)物が欲しい
そう、この心理こそわんこグッズが少ない理由なのです。
かたや猫好きの方々の心理は少し違うようです。
猫好き=「猫」であれば愛猫(or好きな猫)と同じ種類でなくても欲しい
のだそうで、しっぽの長さや被毛の色、種類など、それぞれ好みはあっても猫の形をしていれば購入対象になるとの事。(勿論、そうではない方もいらっしゃると思いますが)
その為グッズ作成の際、にゃんこグッズの場合はメーカー側は一種類だけ作ればOK。カラーバリエーションを増やしても、基本的に型は一つで済みます。
わんこグッズはその逆。採算が取れない、失敗する可能性が高いのです。
「だったら、沢山の犬種の物を作ればいいじゃない」
「シルエットのデザインにすればいいのでは?にゃんこグッズにはそういう物が結構あるし」
残念ながら、前述の犬好きの心理傾向のせいで、グッズに採用する犬種を増やせば増やすほど、購入者は好きな犬の姿に似ている物をどんどん追求し始めますし、猫よりも犬の場合は犬種ごとにシルエットの違いがはっきり出てしまうので、売れ筋とそうでないものが分かれ商品として成り立たなくなってしまいます。
グッズ制作をしている人達に聞いたところ、いくつかの犬種をデザインして発売した途端「○○(犬種)の物は無いのですか?」「○○(犬種)のも発売して下さい」という意見が必ずくるそうです。
当然全犬種の全被毛色のグッズを出す事は現実的ではないので、わんこグッズの開発は本当に難しいと唸っていました。
とはいえ、やはり欲しいのは愛犬(好きな犬)に近いグッズ。
犬好きの皆様、我々のこの性質が変わらない限り、わんこグッズが増えるようになるのは難しそうですよ。
もう、オーダーメイドにするか裁縫やフィギュア制作が出来る様に腕を磨くしかないですかね(^^;)
近い将来、3Dプリンタで採算が取れる様になってきたら、少しは事情が変わってくるかな?